日々の重なり

ロースクール出身者の公務員試験受験、法律ネタなど

「傾聴」の実践Ⅰ

 ご無沙汰しております。

 

  先日、「傾聴」について学ぶ講座を受講してきました。

 以前の記事でも触れましたが、僕は、どうやったら人の話を上手く聴けるようになるのか?という点に強い関心があります。そこで、「傾聴」について実践的な知識を得るべく、講座を受講してきたというわけです。

 今回は、講座を通じて、「傾聴」に関し新たに考えたこと・感じたことについて、書きたいと思います。

 

 

①「傾聴」=正しい回答を示すこと(?)

 以前も引用しましたが、『人事労務用語辞典』(日本経団連出版)によると、「傾聴」は以下のように説明されています。

 

 「カウンセリングやコーチングにおけるコミュニケーションスキルの一つです。

 人の話をただ聞くのではなく、注意を払って、より深く、丁寧に耳を傾けること。

 自分の訊きたいことを訊くのではなく、相手が話したいこと、伝えたいことを、受容的・共感的な態度で真摯に“聴く”行為や技法を指します。それによって相手への理解を深めると同時に、相手も自分自身に対する理解を深め、納得のいく判断や結論に到達できるようサポートするのが傾聴のねらいです」(太字は筆者)

 

 「傾聴」とは、相手の伝えたいことを、真摯に受け止めることです。

 講座を受けて改めて思ったことは、「傾聴」を試みる際には、聴き手が正しいと考える回答を押し付けてはならない、ということです。

 

 ある人が悩みを抱えているとき、その悩みに対して、最も適切な解決策を導くことができるのは、誰でしょうか?

 僕は、悩んでいるその人自身ではないかと考えています。なぜならば、その人が置かれている状況に関して最も多くの情報を有しているのは、その人自身だし、悩みを解決することに最も強いモチベーションがあるのも、その人自身だからです。結局のところ、最適な解決策というのは、相談者の頭の中にあるのではないかと思います。

 だから、聴き手は、自分が正しいと考える回答があっても、決して相談者に押し付けてはならない、と考えるわけです。正しい答えは本人だけが導き出せるもの、そう思います。

 

*もっとも、相手に新しい視点をもってもらうために、「こういう考え方もあるんじゃないかな?」等と意見を提示することは、必要だし重要だと思います。

 聴き手の意見の押し付けにならないように注意しつつ、あくまでも相談者の思考・立場を相対化し、判断過程を支えることを目的として、意見を示すということが、大事だと思います。

 

 

②聴き手の役割 

 このように考えた場合、「傾聴」において、聴き手はどのような役割を果たすべきでしょうか?

 ①で引用した説明の太字部分にも示されているように、聴き手には、相談者が適切な判断を下せるように、「傾聴」を通じてサポートする役割があると考えられます。

 

 前述したように、最適な解決策というのは、潜在的には、相談者自身が一番分かっているのだと思います。

 しかし、自分が置かれている状況を客観的に分析することは、なかなか難しいことです。また、ストレス等によって精神的に追い詰められている場合、人は冷静な判断能力を欠いてしまったり、事態を打開しようとする気力が萎えてしまったりします。

 

 そうした場面において、相談者と向き合い、真摯に話を聴く中で、

ⅰ 相談者の現状を整理し、要因がどこにあるのかを、第三者の視点で分析すること

ⅱ 相談者の悩みに共感し受け入れて、不安を少しでも和らげ元気づけること

というのが、聴き手の役割だと思います。

 聴き手がこれらのサポートをすることによって、本人が対処法を決定する上で必要となる判断材料が整い、また、何としても悩みを解決してやる!という意思が、本人に徐々に芽生えてくるのではないでしょうか。

 

 まあこうして書いてみるのは簡単だけど、「傾聴」って実践してみると、本当に難しい。。繰り返し、トレーニングしていくしかないですね。

 

 

 以上となります。今後も、「傾聴」の講座は定期的に受講するつもりなので、また考えたことがあれば、ブログに書きたいと思います。

 

 ところで、はてなブログでも旬のトピックのようですが、『まどマギ』の新作、僕も早く見に行きたいです。最近、『コネクト』を聴かずにはいられないのです。

 それではまた。