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国家総合職の面接試験対策Ⅰ(試験の内容と対策について)

 今回は、国家総合職の面接試験対策について書きます。

 

 国家総合職の面接試験には、2次試験における「人事院面接」と、最終合格後に各省庁が実施する「官庁訪問」があります。

 受験生は、1次試験及び2次試験をパスすることで最終合格に至りますが、最終合格の段階では官庁訪問をする資格を得たにすぎません。合計6日間の官庁訪問を乗り切って初めて、内々定を頂けることになります(最終合格者数は採用予定人数の約2.5倍ですから、最終合格者の半数以上が内々定まで辿り着けないということです)。

 以下、面接試験の内容と対策についてみていきます。

 

 

【面接試験の内容】
 面接カードを基にして、志望動機、学業で最も力を入れたこと、サークル・アルバイトなどの課外活動について質問されたり、自己PRを求められたりします。
 官庁訪問ではこれらに加えて、職員の方の業務説明を受けて学生から質問したり、政策に関するディスカッションをしたりします。

 

 *官庁訪問の面接では、個々の面接官の方の裁量によるところも大きいためか、志望動機などに関するオーソドックスな質問がほとんどされないこともあります。 

 

 

【面接試験対策】

 以下の四つが重要だと思います。

 

①面接カードの推敲

 面接は、面接官の方が面接カードに目を通すことから始まります。面接官の方は短時間で面接カードの内容を把握しなければならないわけですから、面接カードの文章はすっと一読了解で読み下せるように、十分に推敲しておくべきです(手書きなら丁寧な字で書きましょう。僕も字は上手くありませんが、読みやすい字になるように心掛けていました)。

 そこで、第三者に面接カードを添削してもらい、何度も書き直しましょう。面接試験対策を熟知している方に添削して頂くのがベストです。

 ちなみに僕は予備校に通っていたので、面接カードの添削は講師の先生にお願いしていました。

 

 *面接カードの事前入手の可否について

 人事院面接の面接カードは、人事院のホームページからダウンロードできます。

 官庁訪問では、面接カードを事前に入手できるか否かは、省庁によって異なります。事前に面接カードを入手できない省庁の場合、官庁訪問初日に面接カードを配布され、その場で30分~1時間程度で記入して提出することになります。

 事前に面接カードを入手できない場合、どのような項目の記入が求められるかを事前に把握できませんが、志望動機・やってみたい仕事・自己PR等のオーソドックスな項目について用意しておけば、対応できると思います。

 


②想定質問を考えて、それらに対する回答を準備する

 面接カードがある程度書けたら、想定質問を考えてみましょう。

 まず考えられるのは、面接カードに書いた志望動機などを追及されることです。

 さらに面接カードに書いていない事柄でも、たとえば「あなたの長所・短所は?」「上司と意見が対立したときに、どのように対応する?」「集団活動において、どのような役割を果たす?」などの質問も想定されます。自分に投げかけられるであろう質問を想定し、回答を準備しておきましょう。

 

 ロースクール出身者が何度も問われることになる質問は、「なぜ法曹志望から公務員志望に変わったのか?」です。この質問に対して説得的な説明ができないと致命傷になりかねないので、十分に準備しましょう。

 


③模擬面接を繰り返す

 ①②を踏まえ、できれば面接試験対策を熟知している方にお願いして、模擬面接で最終的な仕上げをしましょう。いかに面接カードが良く書けていても、質問に対して口頭で論理的・説得的な回答ができなければ、面接試験で良い評価を得ることはできません。

 模擬面接を繰り返して、口頭できちんと説明ができるのか、できない場合には何が原因なのか、そもそも面接カードを書き直した方がよいのかなどについて、厳しくチェックしてもらいましょう。

 

*僕の場合は、予備校で模擬面接を1回だけ受けました。複数回利用できる仕組みではなかったので、その1回だけで本番に臨んだのですが、今振り返ってみると、友人などに協力してもらって、模擬面接を繰り返しておくべきだったと思います。僕は民間の就活経験がなく場慣れしていなかったため、官庁訪問の当初は苦労しました。。

 

 

④公務員試験体験記を熟読する

 予備校で購入できる公務員試験体験記は、できるだけ読んでおいた方がよいと思います。 官庁訪問の成功談だけでなく、失敗談についても記載されていたりと、有益な情報の宝庫です。

 筆記試験対策では予備校を利用しない方でも、面接対策の講座だけは個別に受講して、公務員試験体験記を入手すべきだと思います。もちろん知り合いの方が体験記を持っていれば、それをコピーさせてもらえれば足りますが。

 

 長くなってしまいましたが、以上となります。

 次回は、面接試験対策の続きについて書く予定です。

 それではまた。