日々の重なり

ロースクール出身者の公務員試験受験、法律ネタなど

国家総合職の面接試験対策Ⅳ(コンピテンシー面接について)

 こんにちは。

 

 司法試験合格者対象の国家総合職試験(法務区分)が近づいてきたということで、面接試験対策についてまた書きます。

 今回は、国家総合職試験で実施されている「コンピテンシー面接」について書きたいと思います。

 

コンピテンシー面接は、国家一般職や各国家専門職の人物試験でも導入され、各地方自治体でも採用の動きが広がっているそうです(『2014年度版 公務員試験 現職人事が書いた「面接試験・官庁訪問」の本』(実務教育出版)105頁)。

 

 

コンピテンシー面接って?

 「「これまでに力を入れてきたことは何ですか?」とか「達成感があったと感じたのはどんなことですか?」というふうに受験者の実際の経験を聞く質問方法」(前出『現職人事が書いた「面接試験・官庁訪問」の本』105頁)を重視する面接です。

 

  人事院面接の面接カードには「達成感があったと感じたり、力を入れてきたりした経験について、どのような状況で(いつ頃、どこで、誰と等)、どのようなことをしたのか、簡潔に記入してください」という指示があります。受験者の過去の行動と関連付けて、能力を評価しようとするものといえるでしょう。

 人事院面接だけでなく、官庁訪問でも、実際の経験から回答を組み立てていくことは重視されていたように思います。何の裏付けもない回答より、実体験に基づく回答の方が俄然説得力がある以上、当然と言えば当然かもしれませんが。

 

 したがって自己分析においては、これまでの人生を振り返って、力を入れて取り組んできた活動を整理しつつ、その経験を通じて自分はどのような能力を身につけてきたのかを分析することが、特に重要となります。

 

*「経験」といっても、「政策立案コンテストに出場して入賞しました!」といった、いかにも公務員としての素質をアピールできそうな経験でなければならない、というわけではないです(ロースクール出身者で、そんな経験がある人はそうはいないですよね・・)。ゼミ活動やアルバイトなど、学生生活の中のありふれた経験であっても、その経験という「事実」をいかに自分なりに「評価」して、面接官に能力をアピールするのかが問われているのだと思います。

** 原則として、大学入学以降に経験したことをアピールした方がよいそうです。

 例外的に高校以前の経験を用いるのは、特に目覚ましい功績を上げた場合か、大学入学以降のネタが尽きた場合に限定しましょう。

 

 

コンピテンシー評価を意識した回答の作り方

 ここでは「調整力」の自己PRを例にとって、コンピテンシー評価を意識した回答の作り方について、僕の意見を書きます。

  基本的には、以下の5つのステップで回答を作成すればよいと思います。

 

  ⅰ 私は、「調整力」に自信があります。

 ⅱ (「調整力」を実証する、実際の経験の概要を説明)

 ⅲ (ⅱの経験について、苦労した点を指摘)

 ⅳ (ⅲの点に対処するために、自分なりに工夫したことを説明)

 ⅴ 以上の活動を通じて、私は「調整力」に磨きをかけられたと考えています。

 

 どのように回答を作るにせよ、過去の行動がどのようなものであったか、その経験から自分はいかなる能力を身につけたのか、段階を追って手際良く説明することが必要になります。

 

*総合職職員は、各省庁・国会議員・関係業界など様々な利害関係者の意見をまとめていかなければならないので、「調整力」は非常に重視されるそうです(前出『現職人事が書いた「面接試験・官庁訪問」の本』46頁)。

**自己PRは、複数の能力について用意しておいた方がよいです。1回の面接の中でも、複数回の自己PRを求められることがあります。ちなみに僕は、「聴く力」「行動力」「調整力」という3つの能力について、実際の経験を基に回答を用意していました。

 

 以上となります。次は何について書こうかなー。

 それではまた。